問題

A市は、市内へのパチンコ店の出店を規制するため、同市内のほぼ全域を出店禁止区域とする条例を制定した。しかし、事業者Yは、この条例は国の法令に抵触するなどと主張して、禁止区域内でのパチンコ店の建設に着手した。これに対して、A市は、同条例に基づき市長名で建設の中止命令を発したが、これをYが無視して建設を続行しているため、A市は、Yを被告として建設の中止を求める訴訟を提起した。最高裁判所の判例によれば、こうした訴訟は、どのような立場でA市が提起したものであるとされ、また、どのような理由で、どのような判決がなされるべきこととなるか。40字程度で記述しなさい。

 

 

解答例

  • 専ら行政権の主体として国民に義務を求める訴訟であり、法律上の争訟にあたらず却下判決となる。  (45字) 
  • 専ら行政権の主体として国民に義務を求める訴訟であり、法律上の争訟にあたらず、却下となる。 (44字) 

 

 

 

国又は地方公共団体が専ら行政権の主体として国民に対して行政上の義務の履行を求める訴訟は、法規の適用の適正ないし一般公益の保護を目的とするものであって、自己の権利利益の保護救済を目的とするものということはできないから、法律上の争訟として当然に裁判所の審判の対象となるものではなく、法律に特別の規定がある場合に限り、提起することが許される。(宝塚パチンコ規制事件)

 

建築工事続行禁止請求事件 (宝塚パチンコ店建設中止命令事件) 平成14年

判示事項

1 国又は地方公共団体が専ら行政権の主体として国民に対して行政上の義務の履行を求める訴訟の適否
2 地方公共団体が建築工事の中止命令の名あて人に対して同工事を続行してはならない旨の裁判を求める訴えが不適法とされた事例

 

裁判要旨

1 国又は地方公共団体が専ら行政権の主体として国民に対して行政上の義務の履行を求める訴訟は,不適法である。
2 宝塚市が,宝塚市パチンコ店等,ゲームセンター及びラブホテルの建築等の規制に関する条例(昭和58年宝塚市条例第19号)8条に基づき同市長が発した建築工事の中止命令の名あて人に対し,同工事を続行してはならない旨の裁判を求める訴えは,不適法である。

 

参照法条

裁判所法3条,行政代執行法1条,宝塚市パチンコ店等,ゲームセンター及びラブホテルの建築等の規制に関する条例(昭和58年宝塚市条例第19号)8条

 

 

  • 行政法総論 レジュメ P.104 ,141
  • 行政法総論 行政強制 代執行

 

 

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